リンパ液は毛細血管から沁みだし、リンパ管に回収されて心臓に向かって流れますが、リンパ管がつまったり、切断されて途切れてしまうと、リンパ液が回収されずに手足にたまってしまいます。
リンパ液は刺激が強いので、たまったままにしておくと炎症の原因となり、皮膚や皮下脂肪、そして、リンパ管そのものさえも傷めてしまいます。
腕のリンパ浮腫は、はじめは二の腕の内側や手の甲などにみられます。そのまま放置すると、前腕全体や肘の外側が特に硬く腫れることがあります。
足のリンパ浮腫は、はじめは足の付け根や内もも、足の甲などにみられます。しばらくすると、すねや太ももにも広がります。
リンパ管は皮膚の浅いところにはじまり、川のように集まって、皮下脂肪、腹腔や胸腔の中を通って心臓に向かいます。手足では直径0.1mm未満から0.5mm、太くても1mm程度しかありませんが、心臓の近くの胸管(きょうかん)と呼ばれる部分では数mmになることも。リンパ管は足であれば、足の甲からすねと太ももの内側のルート、またはふくらはぎから膝裏、太ももの中心のルートを通って足の付け根のリンパ節に向かいます。
そのあとは骨盤の中に入り、体の中心を通って心臓近くで大静脈に合流します。腕であれば、手の甲から肘の内側を通って、二の腕の内側から腋(わき)の下のリンパ節に向かい、鎖骨の下を通ってやはり心臓近くで大静脈に合流します。リンパ管は非常に薄い透明な管で、中には弁が無数についていて、外側に薄い筋肉が巻かれています。この構造が、リンパ液を心臓に向かって送り出すのです。 乳がんの場合は腋の下のリンパ節を、子宮頸がんや子宮体がん・卵巣がんなどの場合は骨盤内のリンパ節を郭清します(リンパ節郭清=がんの進展を防ぐためにリンパ節を切除すること)。そのため、がんの手術の後は、主要なリンパ管の流れが途絶えてしまい、リンパ浮腫を発症しやすくなるのです。
リンパ浮腫は、太ももの内側や二の腕の内側など、途絶えたリンパ管のルートに沿って、リンパ節に近いところから生じます。 また、原発性リンパ浮腫と言って、生まれつきの体質でリンパ管の流れが悪い場合もあります。この場合、心臓から遠いところで重力のかかるところ、すなわち、足先ほどむくみやすいようです。そのほか、肥満やケガを原因としてリンパ浮腫が生じることもあります。
リンパ浮腫は、太ももの内側や二の腕の内側など、途絶えたリンパ管のルートに沿って、リンパ節に近いところから生じます。 また、原発性リンパ浮腫と言って、生まれつきの体質でリンパ管の流れが悪い場合もあります。この場合、心臓から遠いところで重力のかかるところ、すなわち、足先ほどむくみやすいようです。そのほか、肥満やケガを原因としてリンパ浮腫が生じることもあります。