ウナブーツによるリンパ浮腫治療【連載2】
圧迫療法
外来通院でできるウンナブーツの解説
*2018.2.8更新しました。
概要
リンパ浮腫だが、忙しくて病院に行けない。圧迫が重要なことはわかっているが、圧迫せず放置していたところ、どんどん足が太くなって、、、。もはやストッキングを履くこともできず、多層包帯法で集中排液しかない、、。そのような患者が来院した場合、コンプライアンスを維持しつつ治療を進めるのはとても困難です。
前の連載でも述べた通り、ウナブーツ(ウンナブーツ, Unna boot)は摩擦係数が高いペース付包帯を使用するので、動作圧がとてもよく維持されます。また、一度巻いてしまえば、途中1度の交換を挟んで、最長2週間巻きっぱなしでもよいので、必ずしも毎日通院が必要ではありません。
症例
原発性リンパ浮腫の患者(男性・30歳台)。以前、他の医療機関で圧迫療法(バンデージ)の指導を受けたが、仕事が忙しく、圧迫療法を行っていませんでした。徐々に下腿が増大し、歩行にも支障をきたすようになったため来院しました。国際リンパ学会リンパ浮腫病期3期です。仕事の都合上、毎日通院することができないため、ウナブーツ(Varicex®)による治療を選択しました。
初診日から装着を開始し、2日目(チェックのみ)、3日目(上層ショートストレッチ巻替え)、6日目(Varicex巻替え)、7日目(チェックのみ)、8日目(上層ショートストレッチ巻替え)、12日目終了というスケジュールで実施しました。
入浴はシャワーカバーを使用して頂き、自転車通勤をされる患者でしたが、運動療法を兼ねて、通常通り許可しました。1週間目の時点で劇的な周径縮小が得られました。皮膚炎等の合併症はありません。