よくあるご質問 | リンパ浮腫の原因・症状・治療法などの総合情報サイトです。

よくあるご質問

リンパ浮腫について

私はリンパ浮腫ですか?
浮腫の原因は様々であるため、むくんでいるからといってリンパ浮腫とは限りません。リンパ浮腫には特徴的な経過や症状があり、わかりやすいとはいえ、自分だけで判断するのは避けましょう。思わぬ合併症が隠れている場合もあります。ご自身がリンパ浮腫かどうか知るためには、形成外科や血管外科など、リンパ浮腫を診断・治療してくれる医療機関を受診してください。
リンパ浮腫は治りますか?
リンパ浮腫は慢性病で、進行すると治りにくい病気です。正常に機能しなくなったリンパ管を完全に元に戻すのは難しいのです。しかし、早期のうちに、つまりリンパ管の機能が失われる前に治療を開始すれば、日常生活に支障が少ない程度に症状を抑えることができます。治療についてはこちらをご参照ください。
リンパ浮腫の原因は何ですか?
リンパ液が手足にたまってしまうために起こります。たまる原因は様々ですが、大きく分けて続発性(2次性)と原発性(1次性)があります。続発性リンパ浮腫は、がんやケガなどを治療した後に起こるリンパ浮腫です。原発性リンパ浮腫はもともとの体質でリンパ管の機能(リンパ液を流す力)が弱いために起こると考えられています。

治療について

どのような治療がありますか?
弾性ストッキング・スリーブ、バンテージ(弾性包帯)などによる圧迫が基本的な治療となります。リンパ管の流れをよくするバイパス手術(リンパ管静脈吻合術)も可能な場合があります。また、スキンケアも重要です。それぞれに特色があり、症状にあった治療法を受けることが重要です。
ストッキングはいつはくのですか?
弾性ストッキングは日中はくのが最も効果的です。日中は立っていることが多いため、重力の作用により皮下にたまる浮腫が増えます。日中に弾性ストッキングをはくと、それを防ぐことができます。
ストッキングが痛いです。
膝裏や足首で痛くなる場合、弾性ストッキングがずり下がっていないか確かめましょう。弾性ストッキングがずり下がると膝や足首にしわが生じ、しわが食い込んで痛くなります。1日に何度かストッキングを引き上げる必要があります。足の甲が痛い場合は、サイズが小さいかもしれません。
ストッキングが暑いので履きたくないです。
薄い生地の弾性ストッキングもありますので、医師に相談してください。また、どうしてもつらい場合は日中履く時間を短くして、夜間の圧迫で日中の不足分を取り戻すという考え方もあります。しかし、日中履かない時間があると、その分浮腫は悪化しますので、できるだけ日中に履くようにしましょう。弾性ストッキングの上からスプレーする清涼剤もありますので検討してみてください。
バンデージが面倒です。
誰でも面倒に思うことでしょう。バンデージの下巻き(綿包帯)をチューブ包帯で代用する、またはベルクロタイプのバンデージを使用することで、手間を軽減できます。また、夜間バンデージが面倒な場合、やや効果は劣りますが、古い緩くなった弾性ストッキングをはいても結構です。
手術は誰でもできますか?
基本的に誰でも可能です。リンパ管静脈吻合術は早期のリンパ浮腫の方が効果が高いと言われています。しかし、発症して時間がたっていてもリンパ管が残されている場合は、手術で効果が見られることもあります。手術の効果はリンパ管造影やリンパシンチグラフィーを行うと予測することが可能です。
LVAとは何ですか?
リンパ管静脈吻合術、英語で「lymphatic-vein-anastomosis」の頭文字をとったものです。流れが滞ったリンパ管を静脈につないで、リンパ液を静脈に流し込むようにする、バイパス手術の一種です。リンパ管はとても細いので、顕微鏡で見ながら細い針と糸で静脈と縫い合わせます。大がかりな手術ではありませんが、細かい技術が必要です。
脂肪吸引をしても良いですか?
脂肪が蓄積するタイプのリンパ浮腫では脂肪吸引は有効といわれています。この場合はリンパ管静脈吻合が効きにくいので、脂肪吸引を考慮しても良いでしょう。ただし、脂肪吸引後も圧迫を継続する必要があります。
手術をすれば治りますか?
リンパ浮腫治療の中心は圧迫療法です。手術で治癒する方もいますが、あくまで補助的な治療法と考えるのが良いようです。手術をすることにより、進行を食い止めたり、圧迫の効果が出やすくなったり、圧迫が弱められたり、蜂窩織炎などの合併症が減ると考えられています。

旅行・レジャーについて

飛行機に乗れますか?
乗れます。ただし、リンパ浮腫でない人でも飛行機に乗ると手足がむくみやすくなります。飛行機には弾性スリーブ・ストッキングを着用して乗りましょう。また、意識的にときどき席から立って機内歩くようにしましょう。エコノミークラス症候群を予防する体操(足首、肩まわしなどの運動)も効果的です。
温泉に入れますか?
温泉は良い気分転換になります。温泉に入ってリラックスし、上がってからセルフドレナージュとスキンケアをしましょう。ただし、傷口があるとき、疲れているときは避けてください。また、温泉に入る前にしっかり水分補給し、一度に長時間湯につかることは避け、短時間ずつ入るようにするとよいでしょう。
山登りをしていいですか?
構いません。眺めの良いところで深呼吸をしましょう。腕や足に擦り傷ができないように、長袖と長ズボンを着るようにしましょう。疲れたと感じたら、休みを取ってください。弾性スリーブ・ストッキングは着用してください。汗をかくので、スリーブ・ストッキングの替えを持っていきましょう。

スポーツについて

スポーツは禁止ですか?
禁止ではありません。むしろ、適度な運動はリンパ浮腫にいい影響があります。好きなスポーツを続けるようにしましょう。一度に疲れすぎない程度にして、継続して行うことをおすすめします。
おすすめのスポーツはありますか?
新たにスポーツを始めるなら、水泳がおすすめです。手足を冷やし、重力が掛かりにくくなるので、浮腫を改善すると考えられています。泳げない方は水中ウォーキングでもいいでしょう。
ヨガをしてもいいですか?
ヨガには様々な種類がありますが、ヨガの呼吸法や体位でリンパ流を促進するものもあると考えられています。ヨガの中には上級者向きのものもあるので、無理のない範囲で行いましょう。

食事について

つい食べ過ぎてしまいます。
三度の食事はしっかり食べて結構です。間食はしない方が良いですが、どうしても我慢できない場合は、甘いものは避け、ナッツ・ドライフルーツ・するめ・砂糖の少ないチョコレートなどを、よく噛んで時間をかけて食べてください。
糖質ダイエットをしても良いですか?
良いです。運動しながら糖質を意識して減らすとダイエットは効率的にできます。ただし、糖質を完全に排除することは難しいですし、その必要はありません。カロリーを取るために脂質とタンパク質を取ることになりますが、それに応じてある程度の糖質も取ることが必要です。
飲酒をしても良いですか?
飲酒は禁止ではありません。ただし、アルコールは血管から水分が逃げやすくなる作用が有り、そのため多少の浮腫をきたします。また、カロリーが高いので飲み過ぎには注意しましょう。