- 皮膚に手のひらを密着させます。強く押さえ過ぎるとかえってリンパの流れを妨げるので、軽くあてがう程度にします。
- あてがった手をリンパを流したい方向に1秒くらいかけてゆっくりと最大限ずらします。
- ずらした後に力を抜き、手の位置を元に戻します。これを5回から10回繰り返します。
- 手のひら位置を変えて、①~③を繰り返します。
※蜂窩織炎の症状(熱感や赤味)があるときはセルフリンパドレナージュをしないでください。
始める前に、準備運動として肩回しと腹式呼吸を行います。
両肩をゆっくりとまわして、頸部と腋窩のリンパ節を刺激します。(10回)
腹式呼吸で、腹部の中心のリンパ管(胸管)を刺激します。(5回)。
骨盤内のリンパ流が滞っているため、左足に近い方つまり左側の腋の下にリンパ液を誘導します。(右足のリンパ浮腫の場合は、右腋窩に誘導します。)
- 左腋の下に手のひらをあて、ゆっくりと円を描くようにマッサージします。
- 左の胸部の皮膚をずらして、左腋の下に誘導します。つぎに右胸部の皮膚をずらして左胸部の皮膚に誘導します。最後に右腋の下から右胸部に誘導します。
- 右側の足の付け根の動脈が拍動しているところの皮膚を円を描くようにマッサージします。そこにリンパ節とリンパ管があります。
- 右側の足の付け根に向けて、右下腹部、脇腹の皮膚をそれぞれ動かします。次に右胸部の皮膚を右腹部に向けて動かします。
- 右上腕の外側の皮膚を肩の裏に向けて動かします。 肩に近いところから始めて、肘に降りてきます。
- 右上腕 の内側の皮膚を外側に向けて動かします。 肩に近いところから始めて、肘に降りてきます。
- 右上腕 の後ろ側の皮膚を前側に向けて動かします。 肩に近いところから始めて、肘に降りてきます。
- 右ひじの内側の皮膚を肩に向けて動かします。
- 右ひじの外側の皮膚を肩に向けて動かします。
- 右前腕の内側の皮膚を肘の方向に向けて動かします。肘に近い皮膚から始めて、手首に降りてきます。
右前腕の外側の皮膚を肘の方向に向けて動かします。肘に近い皮膚から始めて、手首に降りてきます。
- 右手首の外側の皮膚を肘方向に動かします。
- 右手首の内側の皮膚を肘方向へ動かします。
- 右手の甲の皮膚を肘方向へ動かします。
- 右手のひらの皮膚を手首方向にさすります。
骨盤内のリンパ流が滞っているため、左足に近い方つまり左側の腋の下にリンパ液を誘導します。(右足のリンパ浮腫の場合は、右腋窩に誘導します。)
- 左側の腋の下に手のひらをあて、ゆっくりと円を描くように皮膚を動かします(10回)。
- 左腋に近い方から左わきの下へ向けて皮膚を動かします。順に鼠径部まで降りてきます。
- 大腿外側の皮膚を鼠径部に向けて動かします。鼠径部に近い皮膚から始めて膝まで降りてきます。
- 大腿前面の皮膚を外側に動かします。鼠径部に近い皮膚から始めて、膝まで降りてきます。
- 大腿内側の皮膚を大腿前面に向けて動かします。鼠径部に近い皮膚から始めて膝まで降りてきます。
- 両手で大腿をかかえながら、大腿の裏面の皮膚を外側に向かって動かします。臀部に近いところから始めて、膝裏に降りてきます。
- 膝を両手で包むようにして、その手を大腿部に向けてさすります。
- 膝裏の皮膚を大腿外側、裏側に向けて動かします。
- すねの前面の皮膚を膝方向にさすります。膝から近いところから始めて、足首に降りてきます。
- ふくらはぎを両手でつつんで、皮膚を膝裏の方向にさすります。膝裏から近いところから始めてアキレス腱に降りてきます。
- くるぶしを両手でつつんで、上方にさすります。
- アキレス腱を両手でつつんで、ふくらはぎの方向にさすります。
- 足首の前面の皮膚、足の甲の皮膚をそれぞれ順に上方にさすります。
- 最後に足の甲からわきの下までの皮膚を一気にさすり上げます。
参考文献:増島麻里子=編著
リンパ浮腫セルフケアブック「病棟・外来から始めるリンパ浮腫 予防指導」
P183~197 医学書院2012
リンパ浮腫セルフケアブック「病棟・外来から始めるリンパ浮腫 予防指導」
P183~197 医学書院2012