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手術治療

手術治療について知ろう!

リンパ浮腫の治療は圧迫などの保存的治療が原則ですが、手術も有効です。
たまったリンパ液を静脈に流す手術(リンパ管静脈吻合術)が代表的な手術です。
一部の施設でリンパ節移植や脂肪吸引も行われていますが、一般的ではないため、
ここではリンパ管静脈吻合術について解説します。
リンパ管静脈吻合術ってどんな手術?

リンパ管静脈吻合術ってどんな手術?

リンパ管静脈吻合術ってどんな手術?

リンパ管が途中で途絶えているので、途中でリンパ管を切って近くの静脈に縫い合わせてつなぐ手術です。つないだところからリンパ液が静脈に流れ込むことで浮腫が改善します。
LVA(Lymphatic-Venous Anastomosisの頭文字)とも呼ばれます。リンパ管は0.5㎜前後と、とても細いので、肉眼では縫い合わせることができません。手術用顕微鏡を駆使し、局所麻酔で行われることが多いですが、全身麻酔に対応している施設もあります。一般的には入院しますが、施設によっては日帰り手術を行っているようです。

リンパ管静脈吻合術の術前検査

インドシアニングリーン検査は必ず行います。リンパ管がどこを流れているかをカメラ越しに見て、肌に目印をつけます。インドシアニングリーン検査に加えてリンパシンチグラフィーを行う施設もあります。リンパシンチグラフィーの結果により、手術するリンパ管の位置を決めたり、手術の効果の予測のために用います。同様の目的で、リンパシンチグラフィーの代わりにSPECT/CT やMRリンフォグラフィーを行う施設もあります。静脈を見つけるために超音波検査を行うこともあります。
リンパ管静脈吻合術の実例

リンパ管の横穴に静脈をつないだところ。
リンパ管の直径は0.5mm。

リンパ管静脈吻合術の実例

インドシアニングリーン検査であらかじめ印をつけた部位に、麻酔を行います(局所麻酔の場合)。麻酔が効いたら、2cm前後、小さく切開してリンパ管と静脈を探します。端端吻合(リンパ管の端と静脈の端をつなぐ)、側端吻合(リンパ管の横穴に静脈をつなぐ)、端側吻合(静脈の横穴にリンパ管をつなぐ)など、吻合様式は様々です。 11-0や12-0という大変細い規格の縫合糸を使用して吻合するため、1か所あたり30分から1時間くらいかかります。一度に数か所手術することが一般的です。

術後の経過

傷が小さいので、あまり痛みは強くありません。術後一定期間、安静を指示される場合と軽い運動を許可される場合があります。担当医や施設によって方針が異なるので手術を受ける前に確認しましょう。最近は、圧迫した状態で多少動かすことでリンパ液の流れを促進する考え方が多いようです。10日前後で抜糸が可能です。
手術の効果
リンパ浮腫の進行度によって手術の効果が異なり、一般的に早期の方が効果が高く、進行するに従い効果が落ちてきます。進行とともにリンパ管が線維化する(筋ばって固くなる)ので、リンパ管を静脈につないでもうまく流れなくなるためと言われています。進行期はいろんなところからリンパ液が漏れてたまっており、リンパ管自体があまり役立たなくなっているので、手術の効果が低くなるのです。
手術が有効であった場合、軽く感じたり、皮膚が柔らかくなったりします。非常に効果がある場合は、目にみえて浮腫が引き、術後数日で患部が細くなることも。直後は効果が分からなくても、時間がたってから効果が出る場合もありますので、最低1カ月は経過をみることが必要です。ただし、リンパ管静脈吻合を行ったからといって、ストッキングやバンデージなどの圧迫が不要になることはありません。
重症例でのリンパ管静脈吻合術の効果

重症例でのリンパ管静脈吻合術の効果

(左)手術前(右)3回手術後。手術の効果は出ているが、完全に左右対称になることはなく、弾性ストッキングとバンデージを続ける必要がある。

その他の治療法

  • 圧迫

    圧迫

  • スキンケア

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  • 運動

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  • リンパドレナージュ

    リンパドレナージュ

  •  新しい治療

    新しい治療